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コラム~初盆とお精霊様(おしょろさま)に込められた祈りの心~

お知らせ

2025.08.03

コラム~初盆とお精霊様(おしょろさま)に込められた祈りの心~

 日本の夏、蝉の声が響く中で迎える「初盆」は、多くの家庭にとって特別な意味を持つ行事です。特に遠州地域においては、盛大で華やかな雰囲気に包まれたなか執り行われる郷土文化として長年定着してきました。
 初盆とは、亡くなった方が初めて迎えるお盆のことで、この時期は故人の魂が現世に帰ってくるとされています。そして、その魂を「お精霊様(おしょろさま)」と呼び、深い敬意と感謝を込めて迎えます。

 7月お盆と8月お盆は地域に寄って開催時期が異なります。歴史的背景を探ると、明治時代の改暦により、旧暦7月15日に行われていたお盆が新暦に移行。しかし、農繁期と重なるため、多くの地域で1か月遅れの8月お盆が定着していきました。

 初盆には、通常のお盆よりも丁寧な準備が行われます。軒先提灯や盆祭壇を設け、故人の好きだった食べ物や果物をはじめ、生花や籠盛をお供えします。祭壇にはキュウリやナスで作った精霊馬や牛を飾ります。これは、お精霊様があの世とこの世を行き来する際の乗り物として用意されるものです。
 お盆が始まる時、僧侶の読経と共に迎え火をし、数日後、お盆の終わりとして送り火が焚かれます。このような一連の情景は、日本の豊かな自然と文化が織り成す風習の一環です。

 初盆は単なる儀式ではありません。それは、家族が共に過ごし、故人を思い出し、感謝の気持ちと教えを未来に活かしていく機会でもあります。このような心の交流を大切にする文化は、現代でも多くの人々の心に響いてほしいと願っています。

このコラムを書いたのは、JA葬祭センター袋井 相羽

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