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コラム「遠州地方における仏式葬儀と現代の変化」

お知らせ

2024.10.26

コラム「遠州地方における仏式葬儀と現代の変化」

遠州地方では、仏式の葬儀が独特の風習とともに行われています。現代においても受け継がれているこれらの習慣は、地域の歴史と文化を反映しています。

まず、通夜の儀式について見てみましょう。かつては親族が一晩中、灯火を絶やさずに見守ることが一般的でした。近年では、自宅からホールで通夜を行うことが増え、コロナ禍以降は、寝ずの番や火の番をする風習も消えつつあります。しかし、通夜の際には、故人を偲ぶ笑い話や楽しい思い出が供養の一部として語られ、時には笑い声が響くこともあります。これは一つの追悼の形として受け入れられています。

【親族のみが参列する通夜のお経】と【一般の方が会葬する通夜】が分かれているのも特徴的です。お経の時間は宗教的な厳粛さを持つ一方で、一般の方が参加する通夜は、故人との思い出を共有する場として、より社交的な雰囲気があることが多いです。

次の日に行われる葬儀では、近親者のみが参列する事が多くなりました。遠州地方では、曹洞宗が多く、葬儀には位階に応じて4~7人のお寺様をお迎えし、読経が行われます。親族や参列者は心を込めて焼香を行い、故人への敬意を表します。葬儀の後、故人様にお花を手向ける【お別れの儀】【出棺】【火葬】が行われます。

火葬後に【三日法要】が行われるのも遠州地方ならではかもしれません。(最近では初七日法要まで一緒に行うことも増えてきました。)三日法要後には精進落としと呼ばれる食事会が開かれますが、最近ではお持ち帰りが主流となり、各自、自宅でゆっくりと食事を楽しむことが多くなっています。

葬儀が終わると、四十九日間の「追善供養」が始まります。この期間中、七日毎に親族が集まり、故人が成仏するための祈りを捧げます。こうした風習を通じて、地域の文化や伝統がいかに豊かで深いかを感じることができます。

このコラムを書いたのは、 JA葬祭センター袋井 塩屋龍一

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